原作ネタバレ

「義家族に執着されています」韓国の原作小説ネタバレ感想 |15話〜21話

コミカライズ連載している「義家族に執着されています」の韓国原作小説を読んだのでネタバレ感想を書いていきます。韓国語は不慣れなので翻訳が間違っていることもあります。

(間違っているところを見つけた場合はtwitterのDMでコッソリ教えてください…)

義家族に執着されています(시월드가 내게 집착한다)

原作:Han Yoon seol

第15話 お互いの信頼

ペレシャティにとっては、自分が死なないことが一番重要で、だからこそテルデオとの契約結婚を行いました。

「君は俺を信じているのか?」

「その程度の信頼もないなら契約結婚なんてしなかったでしょう」

テルデオは何かを考え込んでいる様子を見せたあと、叔父であるフィニアスがペレシャティを診るために邸宅に残ることを報告します。フィニアスは呪いが通じないペレシャティに興味を持っていました。フィニアスはラピレオン家の呪いは結局毒によるものなので、解毒法を探すために医者となり、今はラピレオン家の主治医になっていました。

「一生毒に関する研究ばかりしていたから、その方面では皇居の医師より一枚上だ。君の状態を一番よく見てくれるだろう」

「フィニアスさんがそれでいいなら私は構いません。邸宅で一緒に過ごしながら診てもらえるなら早く治っていいですね」

「痛いところがあればすぐに言うように」

会話が終わるとノックの音がしました。やってきたのはレベッカで、ペレシャティが起きたと聞いて様子を見に来たのですが、レベッカから訪問の目的を聞いてもテルデオはレベッカを部屋に入れないように扉の前で立ち塞がり、そのテルデオの様子にレベッカは怯えていました。

「レベッカを入れてくれますか?」

テルデオは長い間レベッカを見たあと、体をひねって少し隙間を開け、「大公妃は安静が必要だ。用件だけ短く言って退室するように」と命じます。

ようやく許可を得たレベッカはその狭い隙間から部屋の中に入り、ペレシャティの元に駆けつけました。ペレシャティが手を握ると力が抜けたのかベッドの横に座り込み、食事の席でいきなり倒れた場面を思い出したのかレベッカは感情を抑えられず涙を流しました。

「大公妃は安静が必要だと言ったのに。隣でそんなにうるさく泣くと大公妃の頭が痛くなるだろう。帰れ」

鶏を追い出すかのようにレベッカを追い出したテルデオを呆れた目で見つめるペレシャティに、テルデオは「君が完全に回復するまで、犯人が捕まるまでは俺以外には気をつけた方がいい」と言いました。

そうしてテルデオはペレシャティが回復するまで、広いベッドを一人で思う存分使えと言って、自分はソファで丸くなって眠る日々が過ぎました。ペレシャティは安眠できたが、フィニアスの指示によって食事は質素なスープしか食べれなかったのが辛く、しかしそれもいよいよ今日解禁になる所でした。

レベッカと話しながら食事をしに向かっていると、執事がペレシャティに招待状を届けに来た。それはドドレアからの招待状でした。

ペレシャティは受け取らずに「燃やして」と言うけれど、皇室からの招待状は燃やしたり捨てたりはできないと執事が言います。それなら紛失したということにして、と言うけれど、ドドレア直属の騎士が届けに来たので紛失したとも言えないと返され、ペレシャティは仕方なく「私の体調が悪いと言って。この前の毒が治らなくて一生痛いと言って」と言って、そのまま逃げるように歩き出します。後ろから慌てて追いかけるレベッカが「ゆっくり行ってください!転びそうです」と叫ぶけれど、ペレシャティは気にしていなかった。

「石ころもないのに転んだらバカだよ、レベッ…うわっ」

言っている傍から転びそうになったペレシャティは、腰を素早く掴まれて転倒を免れました。

「そうだな。石ころも無いのに転んだら馬鹿だな」

「足、足がくじけたんです」

ペレシャティを助けたのはテルデオだった。体調が悪いのかと聞かれて、ペレシャティは招待状のことを報告します。「燃やしたのか?」と聞かれ、執事が燃やしてはいけないと言ったことを告げ口すると、テルデオは燃やすことを約束しました。

「燃やし尽くしてください。跡形も残さないように」

食卓に先にいたフィニアスは挨拶をすると、今後は事前に食材を執事と騎士が確認し、料理は先に使用人が食べて確認するので、ペレシャティの食事に二度と毒が入らないことを伝えました。

そうして念願の食事が始まろうとした時、「シャシャ!」と言って涙で顔がめちゃくちゃになったセルシアが現れました。

「話を聞きました。毒を食べたんですよね?大丈夫?すぐに駆けつけたかったけど船の出航が遅れて…犯人はどこにいますか?テオ、あなたが言ってみて。どこにいるの?死んでないよね?」

「まだ捕まっていない」

「何も出来てないの?」

セルシアの声は鳥肌が立つほど冷たく恐ろしい声に変わりました。

「捕まえれないの?ラピレオン大公妃を殺そうとした犯人を捕まえられなかったの?」

セルシアがテーブルの上に乗った食器を握ると、セルフィウスがペレシャティに向かって食事を続けるよう合図を出したあと、セルシアを捕まえて部屋の外に連れ出しました。

「こちらに来てください。僕が全部説明します」

「セルフィ。これが説明しなければいけないことなの?言葉じゃなくて拳が必要なのではないの?」

セルシアの声がどんどん遠ざかっていき、ペレシャティが大きく息を吐いて胸を撫で下ろすと、それを見たテルデオが立ち上がり、「セルシアは俺が処理するから食事を続けるように」と言って部屋を出ていった。ペレシャティが不安になっていると、フィニアスが「心配しないでください。本当に殺すわけじゃないですから」と慣れたように言います。

セルシアがテルデオを、もしくはテルデオがセルシアを?ペレシャティにはよく分からなかったし不安だったので、食事を一口食べたら様子を見に行こうと思ったけど、そうして食べた食事はとても美味しくて辞められなくて、やはり兄弟のことは兄弟に任せおこうと考えを変え、食事に没頭しました。

フィニアスはペレシャティに本当に呪いが効かないかを確認し、ペレシャティは3度とも死ななかったことを伝えました。

「私は家門の呪いを治療するために医者になりました。しかし、治療法どころか、周期的に訪れる苦痛を無くす方法すら見つかりませんでした」

体に血の毒が流れる以外に、苦痛まであるなんて聞いていなかったペレシャティは驚きました。

「妃殿下は存在だけでも今の私たちの希望です」

第16話 俺たちの希望

フィニアスと話しているとセルシアの悲鳴が聞こえ、様子を見に行くと床に倒れ血を吐いているセルフィウスがいました。

慌てるペレシャティとは違って、テルデオは落ち着いた様子で、ペレシャティに説明をしました。自分たちの血液には毒性があり、その毒性が強いと体内にダメージを負ったりするので体が弱いと耐えきれない。テルデオの兄もそうして死んでしまいました。

「な、なぜ…」

「なぜかって?それは俺たちも気になる。なぜよりによって俺たちだったのか。なぜよりによって毒だったのか」

セルフィウスは一族の中でもとりわけ毒性が強かったため、体調が悪くなるとこうして苦しんでしまう。だからこそ静養させるために田舎に送っていました。

セルフィウスはペレシャティに向かってパクパクと何とか口を動かし、ペレシャティに「大丈夫」と言いました。それを見た途端、ペレシャティは衝動的に動き、セルフィウスの元に駆けつけ、セルフィウスの口に自分のハンカチを押し込み、自分の太ももにセルフィウスの頭を乗せて寝かせました。

慌ててペレシャティに近づいたテルデオは「どうかしているのか」と言いました。

「もう忘れたのか?血は毒だと。このようにむやみに触れて何の危険があるか誰にもわからない!」

痛がっている子供を放っておけないとペレシャティが主張すると、テルデオは「何をしても無駄だ」と言い、ペレシャティはテルデオを睨みつけました。

「こんなに痛がっているうちに舌を噛んだら?もがいているうちに頭を打ったら?少なくともそうならないよう助けることは出来るはずです!」

そこへフィニアスが走ってきて苦痛を和らげる薬を処方しました。苦痛が少し減るだけで治る薬は無いのだとフィニアスから聞き、ペレシャティは唖然とし、苦しむセルフィウスを抱きしめました。

薬を飲んだセルフィウスはその後も半日間苦しんで気絶したので、テルデオが浴室に運び、血まみれになったセルフィウスの体を洗い流して綺麗にした後、着替えさせてベッドに寝かせました。

セルフィウスの部屋を出たペレシャティはようやく安堵して、膝から崩れ落ち、床に座り込んだ。テルデオはそんなペレシャティの前に片膝をつき、目線を合わせて「無謀だった」と言いました。

「そんな状態の時は、いくら君だとしても死ぬかもしれないから、近づかない方がいい。血まで触って直接抱きしめたのだからとても無謀だった」

「……でも…」

テルデオはゆっくりと手を伸ばし、親指で私の頬についたセルフィウスの血を拭いた。彼はぼんやりと笑っているような気がした。不安な恐怖はすぐに消えた。何だか涙が出そうだったが、私はじっと我慢した。

血まみれのペレシャティを助け起こし、テルデオは今日は自分で洗い流すようにと言いました。確かに血は毒なので他の人が触ればそれこそ死人が出てしまう。応接室はどうなるのかとテルデオに聞くと、家具は燃やして新しくし、床は掃除すると返答が返ってきます。慣れている様子のテルデオに、ペレシャティは立ち去ろうとしていた足を止めました。

「どうした?また足の力が抜けたのか?歩ける?」

「テルデオ、お兄さんはいつ亡くなったのですか」

「俺が死ぬ心配か?」

ペレシャティは自分の目の前にいる人が死ぬなんて考えたくなかった。テルデオの兄が死んだのは、丁度今のテルデオの年の時だった、とテルデオは明かしました。

第17話 お母さん?

テルデオの年齢の時に彼の兄が死んだと聞いたペレシャティは固まってしまい、そんなペレシャティを見たテルデオは「早く洗って休んだ方がいい。俺はやることが多いから今夜は書斎で過ごす」と言いました。

そばに気にする人がいないから楽かと思ったけれど、広いベッドは寂しくて、結局ペレシャティは一睡も出来ず朝を迎えました。

ペレシャティの身支度を手伝いに来たレベッカはいよいよ祭りが始まるのだと教えてくれるけど、ペレシャティは祭りのことなんてすっかり忘れていた。

「祭りの主役は大公閣下ですよ!」

「知ってる知ってる。今から準備すればいいでしょ」

「大公閣下が怒ったらどうするんですか?怒ると凄い怖いそうですよ」

「私には怒らないから大丈夫」

どうせ契約結婚の関係なので、祭りのことをペレシャティが忘れていても起こりも寂しがりもしないはずだとペレシャティは思った。

レベッカはテルデオについての「女に関心がない」「殺戮を楽しむ」などの噂を聞いていたので、ペレシャティを大切にしているテルデオを見て驚いたのだと話しました。

ペレシャティは支度を終えてセルフィウスの部屋を訪れると、セルフィウスはすやすやと眠っていました。無意識のうちにセルフィウスの額にかかった髪をはらってやると、朧気な声で「お母さん?」と呼ばれた。

肯定も否定もできず固まっていると、セルフィウスは目を覚ましてびっくりしたように上半身を起こしました。

「僕、僕は今なんと…大公妃がなぜここにいらっしゃるのですか?」

セルフィウスの様子を見に来たとペレシャティが言うと、セルフィウスがムズムズと口を動かすので、まだ苦痛があるのかと思って慌てて寝室を出て行こうとするが、その前にセルフィウスがペレシャティを掴んだ。

「…..大丈夫です。もう痛くないです」

小さな声でそういった後、セルフィウスは昨日ドレスを汚してしまったことを謝るが、「また買えばいい。それよりあなたが痛くないことがもっと重要なの」とペレシャティは話し、セルフィウスを朝食に誘いました。

そうして2人で一緒に食卓へ行き、ペレシャティの席までセルフィウスがエスコートすると、「ついに人間になったのね」とセルシアがからかった。

「シャシャ、どうやってこの気難しいちびっ子を手懐けたのですか?」

「私は何もしていませんよ」

話を聞いていたテルデオも「セルフィが誰かをエスコートするのは初めてだが、何か弱点でも掴んだのか」とセルシアの意見に同意した。

「うちのシャシャは弱点を捕まえる人じゃない。そんなこともわからないの?」

「…..はあ、セルフィだけじゃなくてセルシアも手懐けたみたいだな」

第18話 倒れた美男

話題を変えようとペレシャティは祭りの話を持ち出すと、テルデオは自分が主役のはずなのに全く興味を持っていなかった。最終日にはパレードも行われます。国王は民心を高めようという趣旨だったが、自分に関心を集めたいことが目につくのだとテルデオは皮肉まで言いました。しかし、そう話しながらもテルデオの手は自分のサラダの皿から果物をせっせとペレシャティの皿に運んでいました。山積みになった果物をセルフィウスの皿に分けると、待っていたかのようにセルフィウスは喜びました。

「とにかくそのパレードには君も参加しなければならない」

「え?」

「伝えなかったか?」

「生まれて初めて聞きました」

「では今伝えたことにしよう。祭りの最終日に君は俺とパレードに参加しなければならないから準備するように」

セルシアは仕事があってすぐに出発するらしく、帰り際に「号外を広めた奴と毒を飲ませたやつを両方とも捕まえてプレゼントしに帰ってくる」と言いました。テルデオは立ち上がり、ペレシャティに自分のケーキを渡してセルシアを見送りに行きました。

真剣な話をしつつも甘いものをせっせとペレシャティに渡している光景面白いし可愛いですね。

レベッカはペレシャティが祭りの最終日に参加すると聞くと考え込んだ後、「私たち外出しましょう!」と言いました。レベッカのやる気に満ち溢れた様子に、ペレシャティはわけが分からなかった。

レベッカはペレシャティガ今持っているドレスだとパレードで目立てないので強烈なものが必要なのだと主張します。

「貴族も平民も、その日は大公妃殿下を見る事になるでしょう?これまで以上に美しく輝かなければなりません!」

「それなら裁縫師を呼んでドレスを合わせたりカタログから注文すれば良いのでは?」

「大公妃殿下が進む道も事前に見なければなりません!」

外出を促すレベッカに折れて、ペレシャティは急遽外出することになった。ペレシャティはブティックでドレスと共に色々なものを購入した。買い物を済ませたペレシャティはレベッカと馬車に乗ってパレードで使う道を回ることになりました。

道は最終日のために部外者の立ち入りを禁止しているようだけど、レベッカが事前に連絡を入れてあったため、警備兵たちは家門の印章を見ると礼儀正しく挨拶し、道をあけました。

しかし、馬車が進み始めてすぐに突然止まり、御者が「人が倒れています」と報告しました。部外者の出入りを禁じているはずのその道で、なぜか金髪の男が倒れていました。

第19話 入ってくる時は良くて出ていく時は違う

倒れた男を見て、ペレシャティはレベッカに治安隊を呼んで、自分たちも今日はもう帰った方がいいと話しました。可哀想だから自分が様子を見てくるというレベッカを止めて、不審だから辞めるようにペレシャティは話し、そうしてレベッカを馬車に載せようとした時、男が動かずに呻き声をあげた。やはり怪しい、と判断して来た道を戻ろうとしたペレシャティでしたが、御者からこの道は一方通行なのだと教えられました。

仕方なくペレシャティは御者に男を道の端に寄せさせると、男は待っていたかのように目を開けた。

男は金髪に青い瞳をした見目の良い青年だった。「私が怪我させないように道の横に運んでくれたのですね」と青年が言い、尻もちを着いた御者を置いてペレシャティの元へ来て「どうか名前を教えてください」とペレシャティに懇願しました。

「救うつもりもなかったから恩を返す必要はありません」

そうしてレベッカを馬車に乗せようとするけれど、また男はペレシャティの前を遮った。

「このまま見送っては私の心が辛いです」

「今すぐ退いて」

「私の命の恩人に危害を加えるはずがありません」

「あなたは道を塞ぐことで恩返ししているようだけど?」

しかも本来ここは立ち入り禁止のはずだ。しかし、そう言うと、男は自分が時には普通に入れたと言い、それを聞いたレベッカは「丁度交代の時間でたまたま入れたのかも」と言いました。

ペレシャティは呆れながらレベッカの名前を呼ぶけれど、それを聞いた男は「レベッカ?レベッカ・ナイツ?」とレベッカに視線を向けます。

「さっきから曖昧だったけど君か。私を覚えていないの?確かに留学していたし歳月も流れたけど…」

「え?」

「私だよ、アデウス・フォーツン」

レベッカは瞬きしてその名前を繰り返した。

「そう。本当に覚えていないの?君の幼なじみだろ」

第20話 ライオンの前のうさぎ

アデウスはレベッカに過去の記憶を共有するために話をするけど、レベッカは目を丸くして黙っていました。しかし、アデウスがレベッカの肩に手を置くと、ようやく記憶を思い出したのかレベッカはアデウスを指さして笑いました。

「あなた、アデウスなの?」

「そうだよ。思い出した?」

レベッカはややぎこちない挨拶をアデウスとして、アデウスは「正式にご挨拶致します。アデウス・フォーツン。フォーツン子爵家の者です」とペレシャティに挨拶しました。

レベッカは「幼なじみです。幼い頃はよく一緒に遊んだけど、しばらく会っていません」とペレシャティに報告します。アデウスは馬車の紋章を確認して「それではあなたはラピレオン大公妃ですね」と言いました。それはまるで知っていた答えをもう一度確認しているかのようだった。

ペレシャティはもう行きたかったが、恩返しなど必要ないと言ってもアデウスがまだ塞いでいました。ペレシャティはラピレオン家の人々を思い出し、「いつまで私の前を塞いでいるの」と傲慢な顔を浮かべて言った。

「今、誰の前を塞いでいるのか知っている?」

アデウスは冷たい表情を浮かべたペレシャティに、まるでいたずらでも思いついたかのように提案しました。

「じゃあ退きますから私も連れていってください」

過って入ってしまったので帰りは警備兵に罰せられてしまうから一緒に連れて行って欲しいとアデウスは頼んだが、ペレシャティは「嫌」と断った。

警備兵にはペレシャティがアデウスのことを伝えるだけで済むので連れては行かないと断ると、アデウスは「久しぶりにレベッカと話したいのにそれでも駄目ですか?」と聞きました。

それを断るのは少し難しかった。レベッカにどうしたいか聞くと、レベッカは「大公妃殿下の邪魔にらないなら、そうしたいです」と答えたので、仕方なく承諾しようとした時、後ろから馬がやってきた。馬に乗っていたのはテルデオでした。

ペレシャティはそれまでの会話も忘れてテルデオに近づき、「ここにはどうして来たんですか?」と尋ねます。

「君が行列の準備のために出かけたと聞いたから。それより、招いていない客がいるようだが」

テルデオは馬から降りてアデウスの前に立つと、不愉快そうな顔をして尋ねました。

「誰だ?ここには俺の許可なしに誰も出入りできないはずだ。俺は妻以外の出入りを許可した覚えはないが」

これまで笑顔を浮かべていたアデウスの顔から笑みが消え、アデウスは自分の名前を名乗って挨拶をした後にペレシャティに視線を向けました。

「私は大公妃殿下と…..そういう仲です」

第21話 今の君と俺の間

テルデオの眉間に力が入るのを見て、ペレシャティは慌てて「今日初めて会った仲です!」と否定しました。止めなければテルデオが目の前のアデウスを殺してしまいそうだと思いました。テルデオの目がペレシャティに向いたので、ペレシャティは今回のことを説明しました。話を聞き終えたテルデオは「それで、そんな仲とはどういう意味だ?」とアデウスに尋ねます。

「大公妃殿下が私を救ったので、私は恩を返さなければなりません。だから当然命もかけられるという意味です」

テルデオは首を傾げたあと、思い出したかのように威嚇的な声でゆっくりと話し始めました。

「ああ、フォーツン家の令息。フォーツン伯爵が外から連れてきた息子なのだと聞いたことがあるな」

アデウスがフォーツン子爵の婚外子なのをテルデオは嘲笑し、「手に負えないから他国に送ったものの、その他国では令嬢達の半径300m以内には近寄らないよう法律まで出来たと聞いたが」と続けた。

「ここに過って入ったから処罰を受けるのが怖いって?処罰は免除するが、かわりに妻の半径500m以内には近づくな」

そう言ったテルデオはペレシャティの腰に手を回し、ペレシャティは固まってしまった。アデウスの冷たい視線はペレシャティの腰に向けられました。

テルデオはペレシャティを自分の馬に乗せ、自分はその後ろに乗ってペレシャティを抱きしめるように抱えます。

「フォーツン令息は友人との対話が必要だと言ったな。それならいくらでも話せばいい。私たちは邪魔しない」

アデウスはテルデオを睨みつけていました。いくら何でも大公をそのような顔で睨むのはどうなのか、とペレシャティが思っていると、テルデオが不満そうに「フォーツン令息の顔に穴があきそうだな」と言いました。

「え?今なんと言いましたか?」

ペレシャティの言葉に答える代わりにテルデオは馬を進ませた。

「えっどこに行くつもりですか?」

「行列の道を見に来たのならこうして一緒に見ておくのも悪くない」

「…..私じゃなくてレベッカが見に来ようって言ったんですよ」

「そういう事にしておこう」

「本当ですよ!」

「参加するためのドレスや靴も全部買ったそうだが」

「それもレベッカが…!」

「じゃあ、それもそういう事にしておこう」

先程とは違ってテルデオは機嫌が良さそうだった。ペレシャティは自分をからかったからなのかな、と思いました。二人が話していると、後ろからアデウスの叫び声が聞こえました。

「大公妃殿下、次回お会い出来るのを楽しみにしています。私を呼ぶ日を期待して待っています」

会わないから待つなと言いたかったけれど、ペレシャティは後ろをむくと体勢が崩れそうで聞こえないふりをしました。

「何の関係もないと言っていたのに。期待して待ってるそうだが」

「それは双方ではなく一方的な事ですから何の関係もありません」

テルデオは「もしかして」と言って一旦話を止め、なぜ話を止めるのかと疑問に思ったペレシャティが顔を上げると、「君の新しい恋人か?」と聞きました。ペレシャティの腰をテルデオが掴んでいなかったら馬から落ちてしまう所だった。

腰を巻いたテルデオの手に力が入った。

「この前、君が毒を食べたから。犯人が捕まるまでは誰でも気をつけた方がいいと思って乗り出したんだ。俺の行動がもし二人の間の邪魔になったとしたら…… 」

一人で速射砲のように話していたテルデオが不満そうに唇を閉じた。

「……でも俺との契約期間はまだたくさん残っているはずなのに。寂しいな」

「はぁ、すみません」

「二人の仲を仲たがいするわけではないが、さっき言ったようにフォーツン令息は質が悪い。もしまだ深い関係でなければ、もう少し考えてみることを勧める。でも、いつ会ったんだ?かなり幼い頃から他国に行って長い間帝国には帰ってこなかったと思うけど……あ、もちろん、ただ気になって聞いているだけだ。……その、うん。俺もある程度知っていれば後で備えることができるから。それで聞いているだけだ」

確かにこの子とセルシア、そしてセルピウスは一つの血筋に違いない。どうしてこんなに人の言うことを聞かずに自分の話ばかりするんだろう。

テルデオの話を聞き終えたあと、ペレシャティはしっかりとアデウスとは今日会ったばかりで本当に何も無いと話し、契約期間中も終わったあとも恋人を作る気がないのだと話しました。

馬を止めてテルデオはペレシャティを馬から下ろしました。二人の距離が近くなり、ペレシャティが「他人が触るのが嫌いではないのですか?」と聞くと、テルデオは「君は呪いで死なないだろう」と答えました。

「呪い」なのだとしたら、呪いをかけた人がいるのではないか、とペレシャティは考えます。一体なぜ、どうして、どんな権利でラピレオン家の人々を苦しめるのか、ペレシャティは問い詰めたかった。

テルデオはせっかく来たのだから祭りを楽しもうとペレシャティを誘った。テルデオは祭りは面倒だったが今まで来たことがなかったので、この機会に楽しんでみるのも悪くないと話しました。

幼い頃でさえ来たことがないと聞いたペレシャティは、当然のように甘受すべきことをたくさん諦めてきたのだと理解しました。

「わかりました。それでは今日楽しみましょう!」

15話〜21話を読んだ感想

ぜっっっっっったいヤキモチでしょ???????

ヤキモチ以外のなにものでもないし、それで焦って早口になっちゃうのも大変良かったです。

やはり、漫画はペレシャティの仕事方面の話が多かった分、小説は恋愛糖度が高めな気がします。そしてアデウス…!小説だとそんな奇妙な登場の仕方だったのか…!道端で倒れている美男とか不審すぎるでしょ(笑)

更新については、ここでしばらくお休みをいただきます。理由は現在読み進めている作品が面白くて何も手につかなくなっているからです。すみません…。来週からそちらの作品の更新を始め、その更新が終わったら義家族の更新に集中したいと思っています(が、なにせ漫画で最新話まで読んで展開を知っているし、そこまでの道のりもまだまだ長いので……)

更新についてはtwitterにてお知らせします!

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いり
異性愛・同性愛に関係なく読みふけるうちに気づいたら国内だけではなく韓国や中国作品にまで手を出すようになっていました。カップルは世界を救う。ハッピーエンド大好きなのでそういった作品を紹介しています。

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