コミカライズ連載している「元夫の番犬を手なずけた」の韓国原作小説を読んだのでネタバレ感想を書いていきます。韓国語は不慣れなので翻訳が間違っていることもあります。
(間違っているところを見つけた場合はtwitterのDMでコッソリ教えてください…)
元夫の番犬を手なずけた(전남편의 미친개를 길들였다)
原作:Jkyum
外伝1.秋から冬まで
傷と命
いい香りがした。
同時に細いものが顔をくすぐる。ビルヘルムは目を開ける前に深呼吸をした。そして手を伸ばして、その細いものをいっぱい握った。髪の毛だった。
その色が秋の野原のようであることはすでに知っていた。
目を覚ますと同時に、その髪に口付けをする。かすかな日差しが自分の手とその髪の上を照らした。
充満していた。晩春の香ばしくて暖かい匂い、手をくすぐる温もり。手を一度伸ばせば届くところで夢中で寝ている、髪の毛の持ち主。
ラインハルト。
ビルヘルムは今すぐラインハルトを抱きしめたい気持ちと、疲れて寝ているラインハルトを起こしたくない気持ちで葛藤しました。
しかし、ラインハルトはビルヘルムが答えを出す前に寝返りをうってビルヘルムの懐に入り、ビルヘルムを引き寄せました。もっと寝たいのか、うめきながら「目が開かない……」とラインハルトが言いました。
「疲れてるならもっと寝てください」
「疲れた……疲れたわ……」
ビルヘルムがラインハルトの鼻に口付けると、ラインハルトは顔を上げてビルヘルムに口付けながら「死にそう」と言ったので、思わず「愛おしいです」とビルヘルムは言いました。
ようやく目をあけたラインハルトを見て、ビルヘルムは喜びました。
彼女の閉じていた目が開くと、その中に光が入って太陽が満開するかのように見える。父親であるリンケ侯爵は蜂蜜を塗ったアップルパイに例えたけど、ビルヘルムは素朴な表現だと思いました。
ビルヘルムが詩人だったら、世界で最も美しい言葉はラインハルトが独占したはず。それをラインハルトに伝えた時は、「あなたが詩人じゃなくてよかった」と言われてしまったけれど。
「眠りに落ちて同じ言葉を繰り返す姿がどれほど愛らしいか知っていますか?」
「それで首都に来て入城したばかりの私をこんなに苦しめたの?」
ラインハルトは七日ほど走ってオリエントの水晶門を通って首都に来たばかりでした。知らせを受けたビルヘルムは朝からそわそわと待ち、ラインハルトが到着するなり自分の部屋に引きずり込みました。
「痛かったでしょ」
ビルヘルムの肩にはラインハルトがつけた歯型がついていたけど、ビルヘルムは「あなたが首都にいた証拠です」と笑った。
「本当に傷として残ったらどれだけ良いか」と言うビルヘルムに、ラインハルトは「そう。なら私の手もそうね」と言います。
ラインハルトの手のひらには大きな傷があり、ビルヘルムはすぐに「そんな事言わないでください」と言ったけれど、「あなたの言ったことと変わらないよ」とラインハルトは返しました。
手の傷はビルヘルムの自死を止めようとした時に傷ついたものです。どんなものでも怪我を良いものとしないでというラインハルトからの教えだと思います。ビルヘルムは傷でも喜んじゃうから…。
ビルヘルムに抱き寄せられ、素肌が触れ合ったけど二人とも傷だらけの体なのでそれほど柔らかくはありませんでした。ビルヘルムはラインハルトに命を握られる事を喜ぶのを、ラインハルトは理解していました。
知ってる。男はラインハルトが私の命を握って揺さぶる気持ちが好きだ。
ラインハルトが彼の肩を噛む時は、ほとんどが彼女も正気ではないのでよく分からないが、時々気が気でなくても、私の歯がその固い肉に食い込む時には一層激しくなる情事を見ればそうだ。
ただし、逆の場合、男はこの上なく冷え込む。
ラインハルトの傷は、全てビルヘルムによるものだから、ビルヘルムはラインハルトの傷には特に敏感でした。
「私の頬の傷があなたを愛している証拠だと言っていたじゃない?」
「愚かな昔の自分をどうすればいいですか…」
ラインハルトにとって、それは驚くべきことでした。以前は心を痛めながらも恍惚としていたビルヘルムが、今は死にそうな顔になっています。
ビルヘルムには体より心に細かい傷がたくさんありました。その傷はラインハルトがつけたものもあります。それに対してラインハルトが謝ると、「そんなことより俺はあなたがくれる傷に興奮します」と言いました。
お互いの傷を、冗談を混じえながら笑いあえる人になったのだとラインハルトは思いました。
しかしビルヘルムはすぐに「あなたに傷をつけておいてこんな事を言うなんて、俺は本当に死ななければ」と言い出すので「死んではいけない」とラインハルトは宥めます。
「あなたが怪我をするたびに、馬鹿な事をしていた子は、死ななければなりませんでした」
「だめだってば」
「残りの人生はずっとあなたのそばで贖罪させてください」
「王冠を脱ぐのもだめだし」
「本当に俺の主人は優しくない」
低い笑い声、柔らかい肌と口付けで、ラインハルトは幸福感で満たされました。しかし、今回ラインハルトには重大な使命があったので、起き上がってガウンを羽織り、ビルヘルムに尋ねます。
「ビルヘルム、私は今回早く来たよね?」
まだ時期は晚春で、約束の夏よりも早かった。ビルヘルムはすぐに「ルーデンで何かあったんですか?」と尋ねますが、ラインハルトは「あえて言えば、ルーデンではなく私に」と答えます。
「ビルヘルム、私がもう一度命を差し出したらどう?」
「それはどういう……」
「三人目ができた」
言葉を失っているビルヘルムに、「今度は私のそばにいて欲しいんだけど」と言いました。どうすれば世の中に子供が生まれてくるのか、おそらくまだまともに知らない青年に。
ディートリッヒの記憶
人々はラインハルトが皇后になるのか、ならないのかで賭けをしているようだった。成人を迎えていない皇子が首都を出るのも異例で、またその皇子がラインハルトの元に暫く滞在したので、きっとラインハルトが皇后の冠を再び抱くのも近いだろうと人々は思っていました。
しかし、ヘイツはラインハルトが領土を捨てて再婚すると思っていなかったので、再婚しない方に賭けて資金調達をするのも良いと考えていましたが、難色を示したディートリッヒに止められました。
ヘイツもディートリッヒもラインハルトの体を気にしていました。リオニが第二子を産む時とても苦労したという事もあり、ラインハルト自身も第一子を産んでから七年経過しています。おまけにヘイツもディートリッヒも今回首都に随行して初めてラインハルトの妊娠を知りました。
ラインハルトは懐妊した事がわかるとマルクとリオニに口止めをしていたので、自分の妻から教えて貰えなかったディートリッヒは「妻を少し恨みそうです」と不満を言いました。
ラインハルトはヘイツに「そろそろグレイシア卿からの求婚を受け入れたらどう?」と言ったけど、ヘイツは「グレイシア卿は嫌いです」と言います。
ディートリッヒは「やはり陛下を皇位から降ろしませんか」と言い、降ろしたい理由は「一発殴りたいから」でした。
以前既に殴っていますが、この頃記憶が戻りつつあるディートリッヒとしては、自分の妹のようなラインハルトを三度も苦しめるビルヘルムをどうしてももう一度殴りたいようです。
ディートリッヒは去年の冬にルーデンを巡回中にトナカイの角にぶつかり、あやうく命を落とす所だったが、その衝撃のおかけで記憶が戻ってきていました。
庭先に視線を向けると、子供たちが喜びそうな華やかな色の服を着たビルヘルムが座っていて、その膝の上にビロイとビアンカが遊んでいた。大人しかったビロイは季節を過ごすうちに変わり、今ではビルヘルムのにしがみついて楽しそうに笑っています。
ビルヘルムの変化
ビルヘルムは以前「秋にも子供の誕生日があればあなたを夏から冬まで首都に閉じ込めることができるのに」と言ったことがあるけれど、最近は言わなくなりました。
変化があったのだろうと思ったラインハルトは、今回の懐妊の知らせを受けて、どういう反応をするのか気になっていました。マルクとリオニに口止めしたのも、懐妊の知らせを受けたビルヘルムの反応をラインハルトが直接知りたかったからでした。
今朝。ラインハルトが懐妊を知らせると、ビルヘルムはぼうっとしたのちにベッドから降り、ベッドの傍を行ったり来たりした後に再びベッドに座りました。
「じゃあ今回長く滞在するというのは…」
「ルーデンの医者より首都の方が腕がいいでしょ?」
ラインハルトが自らつけた首の傷も、リオニが「私の母より刺繍の腕がいいんですね」と冗談を言うほど綺麗に縫合されていたので、その腕を見込んで出産は首都で行うつもりでした。
「嬉しくない?」
「嬉しいです、ラインハルト。でも」
「でも?子供を産んで暫くは動けないからあなたのそばには一年以上いることになる。秋の誕生日の子供が欲しいって言ってたこともあったでしょ?」
ビルヘルムは「でも」と何回か繰り返したあとに、「俺は何も知りませんでした」と言います。
ビロイの時は興味が持てず、ビアンカの時は余裕がなかった。結局ビルヘルムがラインハルトの苦痛を理解するまでに時間がかかってしまっていた。ようやく理解できるようになったのも最近で、人からラインハルトが出産の時に血を流しすぎてしまい、命が危なかったと聞いたからでした。
自分が軽々と口にしていたこれまでの言葉が、ラインハルトの命の危険を伴っていると理解したビルヘルムは、顔を真っ青にしました。
理解したから、秋の誕生日の子供、という話をしなくなったのだとラインハルトは察します。
ビルヘルムは、宮廷医に相談して子供を作らないための薬を飲んだり、自分なりに防ごうとしていたことを明かしました。どうりでベッドの上で時折退いたりしたわけだと納得したラインハルトは「私に相談もなしに!」と文句を言いました。
逆にラインハルトは三人目が欲しかった。去年の冬、「狂った犬」などと呼ばれていたビルヘルムがすっかり大人しくなってしまい、おまけに忍耐力もつけてしまったので、ラインハルトは北部に伝わる度数の強い酒を煽ることになり、ビルヘルムにはその三倍の量を飲ませました。その時の結果、子供ができた。
「俺はあなたが危険になる状況に耐えてまで、新しい子供が欲しいとは思わなかったんです」
「あなたの気持ちはわかった。でも私は3人目が欲しいの、ビルヘルム」
途中ですがひとまず今回の更新はここまでとします。
外伝一話最後まで投稿できずにすみません!近日中にUPします!
お待たせしました。以下は5/20に追記したものになります。
ビロイの変化
ビアンカは愛情を受けて育ったが、これまでビロイはその愛情を受けられませんでした。だからこそラインハルトはできるだけビロイに愛情を注ぎ、ビロイもようやく自分の母親が離れることは無いと理解してくれるようになりました。
ビロイとビアンカは母親をめぐって争うこともあります。ビロイはビアンカとラインハルトが眠っているとその間に入るし、ビアンカがビロイの物を欲しがると譲るくせに、ラインハルトの隣だけは譲りませんでした。寝る前、ビアンカの額に口付けると、ビロイには二度しなくてはいけなかった。そうやって今までの愛情を取り戻そうとするビロイを見て過去の自分を恨めしく思いました。
ビアンカと仲良くして欲しいけど、ビロイが我慢するのも良くない。ラインハルトはビロイを抱きしめてそう話しながら謝ると、ビロイは「お母様が僕に謝るのは嫌です。ビビは僕より小さいので僕が悪い。なのに僕に怒らないの?」と言いました。確かに、ビアンカには大きな声で怒りお尻を叩くこともあるのに、ビロイにはそうしたことはありませんでした。
ビロイの顔にはいつ自分を怒ってくれるのかという期待が浮かんでいて、ラインハルトは笑って怒れませんでした。
そうして平和に過ごした時。去年の夏のこと。
ビアンカはビルヘルムの肩に乗ることが多く、乱暴な皇帝と気性の荒い子供の組み合わせに、周囲は大きな衝撃を受けていたけれど、それも落ち着いた頃。子供たちと一緒に肖像画を見ていると、ビアンカは指をさして「ビビはここにいないの?」と聞きました。
ビルヘルムは「いない。橋の下で拾ったから」と答えました。
どこでそんな冗談を覚えたのかとラインハルトが驚いていると、ビロイが抱えられているビアンカの足を引っ張った。
「ルーデンにあるでしょ。オリエント城に。お母様の横にビビのもかかってるじゃないか」
それを聞いて、ようやくビアンカはビルヘルムの言葉が意地の悪い冗談だったことに気づいて頬を膨らませました。そんな平和な光景を眺めていたラインハルトは、ふと。もう壁にかけられることもなく目につかない場所に片付けられたミシェルとドルネシアの肖像画のことを考えました。正確には、前世で二人と一緒に飾られていた三人の子供たち。
欠けた子供
憎悪する女が産んだ子供をビルヘルムは気にもとめなかっただろうし、ドルネシアが子供たちにどう接していたのかをラインハルトは知りません。しかし、それでもラインハルトは気になった。誰も覚えていない子供たちを。ビロイが自分を呼ぶ時に、なぜかその子供たちのことが浮かんで、寂しくなりました。
その話をビルヘルムにすると、彼は気づけなかったことを悔いて謝りました。そして、ミシェルとドルネシアの肖像画は実は燃やそうとしたことをラインハルトに打ち明けます。しかし、それを見ていた臣下が顔を真っ青にしたので実行はしませんでした。以前のビルヘルムなら関係なく燃やしていたはずでした。
「あなたと子供たちがいれば、本当に完璧な絵のように満足なの。でも何かが欠けた気分にもなる」
二人の子供を愛するのにも時間が足りないと思うのに、それでも前回の人生で消えてしまった子供たちの存在が気になった。ドルネシアの事でさえ、彼女の死を考えると複雑な気持ちになりました。
「彼女はいつもあなたのものを欲しがっていました」
「前世であなたは私のものじゃなかったでしょ」
「前世でも俺の魂はあなたのものでしたよ」
ラインハルトはビルヘルムの顎先に口付けて笑いました。
「そうね。私のものを欲しがったのだから、もしかしたら彼女が産んだ三人の子供達も本来は私の子供たちだったかもしれない。私の気が狂ったと思っても構わないわ。そんな気がするの」
ラインハルトの言葉を聞いたビルヘルムは笑顔を浮かべ、ラインハルトを見つめながら告げます。
「第一に、俺はあなたより狂っています。第二に、俺の人生さえ惜しんでくれて嬉しいです。第三に、本当に嬉しいです」
それがラインハルトが身篭った三人目の子供への感想だと、遅れてラインハルトは気付きました。
「あなたが望むものを手に入れることが、俺の喜びです。ラインハルト」
まだ父親の顔になりきれていないビルヘルムが三人目の子供を喜んでくれるかラインハルトは不安でしたが、ビルヘルムは「地獄から抜け出して座った場所があまりにも平和で、慣れていないんです」と言いました。
秋と冬
ビルヘルムは夢の中で、夢を見た。
ラインハルトが自分を見て笑い、口付けてくれる夢。しかし、夢から覚めるとそこにはいなくて、ビルヘルムは手に触れる全てのものを投げつけて壊しました。悪夢だった。
ビルヘルムは自分の幸せが信じられない時がありました。まるで蜃気楼のようで消えてしまいそうで。だからこそ、自分にそっくりな男の子と、活発な女の子。これも夢ではないのかと疑ってしまうことがありました。
「もしかしたらこれが俺に与えられた最後の試練かもしれませんね。あなたが苦しむのをあなたのそばで耐えなければならないですから」
ラインハルトはそれを聞いて、「あなたが耐えなければならない苦痛はまだある」と言いました。
「ディートリッヒの記憶が戻ったって手紙で書いたでしょ?その時に、大まかな状況を把握したディートリッヒが最初になんて言ったと思う?一撃殴りたいよ」
今度は決闘になるかもしれないと話し、「今回も勝つ」というビルヘルムの言葉にラインハルトは笑いました。
「もしかしたら、私たちは一生一緒にいられるかもしれない。あなたが私をデルフィーナと呼ぶ日が来る時に」
ラインハルトという名前はリンケ家の後継者が継ぎます。ビアンカ・ステラ・フリーダ・リンケという長い名前に、ラインハルトの名前が追加される時、もしかしたら。その言葉を聞いたビルヘルムは明るく笑いました。
「その前に乗り越える山がたくさんあるけどね」
「フラン山脈も越えたのに」
「そうね」と答えたラインハルトにビルヘルムは口付け、それに応えているとビルヘルムはラインハルトの腰を掴んでからすぐに離しました。ビルヘルムの顔は真っ赤になっていました。
「今したら……」
どうやら過去の悪行を悔いているようでした。ラインハルトは「もしそれなら昨日話したはずでしょ」と笑います。
「でも」
「これまで通りでいいのよ、皇帝陛下」
医者から「大丈夫です」と言われて、ラインハルトが自分から駆けつけたことを、ビルヘルムは知りません。
私がこの道を飛ぶように駆けてきたことを、あなたは知っているだろうか。
しかし、皇帝陛下は突然、彼女の前にひざまずいて、将来死んでもラインハルトの前で品位を保ち、前の神官のように生きることを厳粛に誓った。
どこかでその決心が非常に残念であったが、純粋なビルヘルム・コルーナ・アランケスの姿もまた興味深かったので、ラインハルトはその誓いを受け入れた。
ビルヘルムはラインハルトの無事を祈って秋が深まるまで毎日神殿に祈りに行ったが、ラインハルトは出産で一日中苦しむことになりました。その苦しみの果てに、予想外の双子が産まれました。
秋から冬に変わる道すがらに生まれた双子には、それぞれ秋と冬の名前がつけられた。誰の考えかは知られていない。
双子の誕生は不吉だと見なされるかもしれないが、少なくとも皇室の使用人たちは喜んで受け入れた。敏感で荒々しい若い皇后が、二人の子供が生まれてから急に笑顔が増え、寛大になったから。
誰かはそれが皇城に居座るルーデン大公爵のおかげではないかと首を傾げたが、それは関係なかった。上司が寛大になるのは、理由を問わず良いことであったから。
外伝はあと数話あるのですがひとまず外伝1話が終わったので今回の更新はここまでとします。
外伝2.天使との再会
野蛮族との遭遇
早起きして焼きたてのパンを焼いていたリオニは、出来立ての真っ白なパンを食べてから丸太でできた自分の家を出発しました。鹿皮でできた丈夫なズボンを履き、背中には大きな弓と矢筒を背負い、小さな手斧とポケットナイフも持っています。狩りに出かけるわけではなかった。
リオニは1ヶ月前の狩りでイノシシを狩った時に倒れてきた猪の下敷きになって腕を骨折してしまっていた。治りきっていない腕と、残り2枚の銅貨を見て、リオニは近くの詰所に行くことにしたのでした。
リオニの父親は3年前、戦いが起きた詰所の近くで鉄屑拾いをしている際に野蛮族に遭遇し、重傷を負ってしまい、逃げ延びたものの命を落としました。
しかし、治りきっていないリオニの腕では狩りはできないのであれから一度も立ち入っていない詰所に行ってみることにしたのです。手のひらほどの鉄屑でも銅貨数枚にはなります。
リオニはそうして2日間山をこえ、荒廃した詰所に辿り着きました。お金になりそうなものは野蛮族が持っていった後で、ほとんど何も残っていませんでした。
リオニは数時間かけて数本の矢尻を拾いました。もっと他の場所を探しに行くか迷っていると、野蛮族の騒がしい声が聞こえてきました。急いで隠れたリオニがこっそり様子をうかがうと、3人の野蛮族の男たちは大柄の男を担いで歩いていました。担がれた男は立派な帝国軍の鎧を身につけていて、人質なのだとすぐにリオニは理解しました。
いつもなら逃げていたはずのリオニでしたが、なぜかその時は違いました。
3人に一気に攻撃を仕掛けるため、2本の矢尻を弓につがえ、野蛮族めがけて放ちました。2人の野蛮族に命中し、残った最後の野蛮族が人質を放り投げて矢が飛んできた方向を警戒しましたが、その時にはもうリオニは次の矢をつがえていました。矢は野蛮族の肩に刺さり、リオニは手斧で首を攻撃しました。残りの二人も仕留め、リオニは父親の仇を取った気分になりました。
野蛮族の死体を崩れた詰所の中に隠し、武器を全て回収し、人質の鎧も全て取り去りました。腹に傷を負っているのを見つけて、リオニは自分の腕に巻いていた包帯を人質の腹の傷に使いました。
それから男の体の下に潜り込み、力を振り絞って立ち上がります。
「くそ、あんた運がいいわね」
父親がいた時には一度も口にしたことがない悪態でした。父親が叱りにきてくれればよかったのに。そう思いながらリオニは山を登り、狩人たちが使う小屋に人質の男を連れて帰り、リオニもその場で倒れ込むように眠りにつきました。
記憶喪失の男
目を覚まして近くの泉から水を汲み、炉に火をつけて男の看病をしました。最初は暑かった男の体は、今は冷や汗をかいていました。傷口や顔を拭、薬草を傷につけて包帯を撒き直し、毛布をかけてやり、小屋の掃除をしてから食事の準備をしつつ、「こんな苦労して何してるんだか」と独り言を言いました。
リオニは兎や鹿を狩って小屋で暮らし、そうして1週間後。男がようやく目を覚ましました。男はぼんやりと周囲を見回し、「ライン…ハルト」とだけ呟くとまた目を閉じてしまいました。
次に目を覚ました男と会話をしたリオニは、男が自分の名前すら思い出せない状態であることを知りました。リオニの最初の計画では男を助けた後は彼の部隊まで送り届け、そこで礼金をもらうつもりでしたが、それが叶わなかったのでわずかに後悔しました。しかも、帝国軍に送り届けたくてもリオニは帝国軍がどこに駐屯しているのかを知りません。
男にこれまでの経緯を説明しました。そこでリオニはこれまでやつれた印象を持っていた男が、かなりの美貌の持ち主であることに気がつきました。男は野蛮族と遭遇した詰所から離れていてもこの小屋も危険になるかもしれないので離れた方がいいと提案し、リオニは迷った末に荷物をまとめました。そして男のそばに手斧や弓、干し肉を置き…リオニはそのまま男と別れるつもりでしたが結局男と一緒に行動することにしました。
「山の人の掟ってのがあります。一度助けた意図にには最後まで責任を持たないといけないので」
二人がそうして小屋を出発したのは男の回復を待ってからになったので1週間後でした。男はリオニと別れるつもりでしたが、リオニはそれを断り、結局リオニの家に行くことになりました。ようやく帰ってきた我が家は畑が荒らされ、家の扉も半分壊されていました。
驚いているリオニに対して、男は兵士だった習慣が抜けないのか周りを警戒しながら「きっとクマですね」と言いました。石のかまども崩されいたのでパンの匂いに吊られたのかもしれません。
男には父親のベッドを使ってもらうことになり、リオニは鍛冶屋のハンスの元に行って壊れた扉を治すための蝶番がないか聞きに行きました。ハンスは村の男たちとリオニの家に出たクマを狩るために出かけているところだと、妻のアンナが説明してくれました。
リオニが蝶番を受け取って家に帰ると、男が家のそばにある大きな木を切り倒して家の周りにフェンスを作っていました。男が切り倒した木は、父親の小さい頃からあったもので、リオニはいつも切り倒したかったけれどそれを担げる人もいなかったので枝を切り落とすくらいしかできませんでした。
「帝国軍の人たちはみんなこんなに力が強いんですか?」
「私にはわかりません」
数日前は傷に響くのでくしゃみすらできなかったのでリオニは驚きました。その後もクマに曲げられた釘を引き抜こうと苦労していると、男が簡単に曲がったところを真っ直ぐになるよう指で曲げてくれて、リオニは感嘆しました。
その日の食卓で、男は「フェンスが出来上がるまでリオニの家にいる」と言い、リオニも了承しました。
そうして春の盛りを迎え、フェンスも出来上がりましたが、男はテーブルやベッドを新しく作り直してくれました。「あなた」と呼ぶ代わりにリオニは「フェリックス」という名前で男と呼ぶようになりました。幸運という意味でした。リオニのベッドはまだ完成していませんでしたが、この時期に高く売れるコゴミを摘みに行こうと誘いました。1カゴ分のワラビを売れば新しいベッドが買えます。
二人は雨が降る中ワラビを摘み、4カゴも収穫できました。リオニは上機嫌に笑いながら歩いていると「気をつけて」と言われ、「はい!大丈夫です!」と答えますが、すぐに「雨にもたくさん打たれたでしょうし」と言われて、寒くもないのに何を心配しているのか不思議で、フェリックスの方に振り返ると、彼は少し照れたように顔を赤らめていました。
フェリックスと暮らし始めてもうすぐ2ヶ月。リオニは「まだ完全に回復していないから」「寒いから」と、何かと理由をつけて追い出さなかったし、フェリックスも「家が古い」「家具が古い」と言って家に残っていました。
けれど、リオニはフェリックスをそろそろ追い出さないといけないと思っていました。記憶を失っていても平民とは異なる品格があるので元々の身分は高いことは想像できていました。
そんなふうに悩んでいると、一緒に歩いているところを村の女たちに「リオニ!旦那様を迎えたの?」と揶揄われてしましました。「そんな関係ではありません」という珍しく固い口調のフェリックスの言葉を聞いて、リオニは怒りのまま村の女たちを追い払い、「いつまで私の旦那様だなんて言われるつもりですか?早く行って、身分を見つけてください」と言いました。
「毎回恩返しするだなんて言わないで、身分を見つけたら私を下女として使ってくれたらいいです」
リオニは冗談を言うような口調で話し、フェリックスの方を振り返るといつも穏やかに微笑んでいたフェリックスの顔は石のように固まっていました。
「……あまりそうしたくありません」
「あ。私を下女として使うにはちょっと性格がきついですよね」
リオニはそれから気まずさを紛らわそうと前に近くの領地で洗濯室の下女を募集していて、自分はそこを三日で追い出されてしまった話をしました。
リオニは、フェリックスが自分に微かな恋心を抱いているのに気づいていました。けれど、身分差があまりにもあることも、よく理解していました。一度フェリックスの鎧を見たハンスは、自分のような鍛冶屋では到底作れない技術が使われているものだと言い、フェリックスがつけているネックレスには貴族の家紋が入っていました。
記憶がない男にとって、リオニの存在が大きくなっているだけで。だからこそ身分を見つけれたらリオニへの興味も無くなるから。だからこそリオニは踏み込まないようにしていました。
雨に濡れたので家に帰ると服を着替え、服の水をしぼっているとフェリックスが尋ねました。
「私のことが嫌いですか?」
今回の更新は以上です。残りの更新は近日中に行う予定です!
2024/12/1追記 お待たせしました!続きです。
フェリックスは本当に自分が誰なのか、それこそ街に降りて調べたいと思ってはいるけれど、リオニをここに置いていきたくないと言いました。
「リオニはどう思っていますか?」
「……嫌いでは無いです」
「良くもないってことですか」
「そうではないです…」
村の中の誰よりも素敵だと、リオニも思っていました。もしかしたらすでに恋に落ちているかもしれません。けれど、それを告げる代わりにリオニは「貴族に一夜を捧げて捨てられた平民の娘の話があります」と言いました。
「私はそんな話の主人公になりたくないんです」
フェリックスが片膝をついてリオニを見上げました。
「……でもフェリックス、あなたとならいいかもしれない」
つい、ポロリとそんな言葉が出てしまいました。フェリックスは1度口を開いて閉じ、しばらくリオニを見つめた後にリラックスした様子で「リオニ、私はあなたが好きです」と言いました。
「私の身分がどうであろうと、あなたを捨てることはありません」
「もう結婚してるかもしれませんよ」
「自分の身分もそうだけど、結婚しているかどうかが急に気になってきました」
リオニは自分もそうだと同意をしたが、フェリックスは「でもリオニ。私が戻ってきた時にはあなたはいないのでしょう?」と問いかけました。
リオニは戻らないかもしれない男を待ち続けることになるのが怖かった。可能性のないことに人生を無駄にはしたくない。だからフェリックスの言う通り、彼がここを去ったらリオニも立ち去る予定でした。
リオニは「違います」としか答えられなかった。そんなリオニの手をフェリックスが取りました。
「リオニ、私をあなたのそばにいさせてください」
「ちょっと、急ぎすぎなんじゃないですか」
「私の妻になってください」
急ぎすぎという言葉に返ってきたのは、妻になってほしいという言葉だった。
リオニはその場にしゃがみ込みたくなった。自分がウサギなら、穴に逃げ込みたかった。
しかし、彼の大きく温かい手が自分の手をしっかりと握りしめていて、リオニは答えるまでこの場を逃げられないことを直感した。
フェリックスはリオニの手を引き寄せてさらに近づき、「だめですか?」と聞きました。そして目を閉じて、リオニは覚悟を決めてフェリックスに近づいて唇を重ねました。
「もう知らない……」
そう呟いた瞬間、喜びで満ちたフェリックスがリオニを抱き上げて大きな声で笑いました。
彼の大きな笑い声が夏の森に響き、やがて消えていった。その後、長いキスが続いた。それは一生忘れられない瞬間だった。
ベッドが一つ壊れたとしても、床で寝る必要などまるでなかった。
取り戻した記憶と失った記憶
ルーデン領の騎士団長であるディートリッヒ・エルンストは、狩の途中で未熟な騎士を庇って巨大なヘラジカの角に突かれてしまいました。
それから意識を失ってから3日目が経過しており、リオニは横たわる夫であるディートリッヒの横で唇をかみ締めながら行ったり来たりしていました。長男のフェリックスも次男のアントンもいつもは騒がしいけれど大人しく隅に座っていました。
ライオンのように大きな声で笑い、山のような大きな男で、病気なんて無縁の人。誇り高きルーデン領の騎士団長が3日も意識がないなんて、幼い子供たちでも青天の霹靂でした。
領主も不在の時期で、リオニを慰めてくれる人もいません。ヘイツやサラ夫人が様子を見に来てくれますが、2人にも何ともすることはできません。
サラ夫人に「リオニは繊細だからさぞ辛いでしょう」と言われ、リオニがいた村の人達が聞いたら腰を抜かすに違いないと思いました。自分が繊細だなんて。
しかし、荒々しくないと生きていけなかった山に住んでいたリオニを繊細と言われるほどの人間に変えたのはディートリッヒなのだと気づきました。
自分を変えたくせに、いつまで呑気に寝ているの?と思わず心の中で悪態を着いた時。ディートリッヒよ目が開きました。
「ディートリッヒ!ディートリッヒ!意識が戻ったの?」
リオニは泣きそうになりながら彼の名前を何度も呼びます。しかし帰ってきたのは「誰……」というディートリッヒの言葉でした。
リオニはこれまで何人もの医師たちに記憶喪失には副作用があると言われていました。「強いショックを受けると意識を失う人はいます。その記憶が戻ると反動で失っていた時期のことを忘れてしまうこともあります」という医師の言葉がずっと心の片隅で引っかかっていたので、今回のこともリオニは驚きませんでした。ただ「その時」が来たのだと思いました。
ディートリッヒは医師の診察を受け、グレイシアの戦争の時の記憶が最後であると言いました。医師の問いかけに答えつつリオニに時折視線が向くのは、リオニが知らない人だからかもしれません。
医師は「しばらく安静が必要です。よろしいですね、奥様」と同情的な視線をリオニに向けて言いました。記憶を失ったディートリッヒとその妻の恋物語はルーデンでも有名でした。だからこそ、二人で過ごした記憶を失った彼を見て、リオニがどうするのかと誰もが思うのでしょう。
医師が退室した後、きちんとした姿勢で座っているディートリッヒをリオニは眺めました。いつもであれば「気でも狂ったの?どうして私やフェリックスやアントンのことを考えないのよ!」と言ってもう一本肋骨を折ってやるくらいの勢いで詰め寄っていましたが、今はそうすることができませんでした。
「あなたはどなたか伺ってもよろしいですか?」
リオニはこれまでいつ彼の記憶が戻ってもいいように、こう聞かれた場合の答えを用意していました。今のリオニはもう山に住む村娘ではなく、ルーデン大領主の侍女です。
「ここはルーデン大領地です。卿が話していた戦争は終わり、それ以降ルーデンは大きく勢力を拡大して大領地となりました。領主であるラインハルト・デルフィーナ・リンケ侯爵の傘下には9つの領地が属しています」
「その間私は何をしていたのですか?」
「卿は意識を失っておられました。そして領主様に発見され、再び領主様の騎士となられました。その後、少し前の狩りで大きな怪我を負い、倒れてしまわれました」
この7年間の自分達の話をしても何の役にも立たないと思い、リオニは簡潔に伝えました。ディートリッヒは領主であるラインハルトへの目通りを希望したが、ラインハルトは通年通り首都にいることを伝えました。この時期、ラインハルトはいつも子供達のためにい首都に行っている時期でした。
「それではご令嬢は領主様の侍女ということでしょうか?失礼ながら名前を存じ上げず、無礼を働いていたら申し訳ありません」
礼儀正しく親切な様子に、リオニは優しい夫が戻ってきたかのような錯覚をした。けれど、彼が自分の名前も知らないことで現実に戻ります。大丈夫。準備していたじゃない、と自分を鼓舞して深呼吸しました。
「私は、あなたの妻です」
「……え?」
青ざめたディートリッヒの顔を見て、リオニは泣き出しそうになりました。だが、次の瞬間にはディートリッヒの顔は真っ赤に染まりました。リオニが自分の名前を告げて、ディートリッヒと結婚したことを告げると、ディートリッヒの顔色は真っ黒になり「いや、それは……これは……」と混乱した声を漏らしました。リオニは消え去ってしまいたい気持ちになりました。
「つまり7年も経っていて、運よく私は領主様に仕えることができていて、あなたが私の妻で…私はあなたの夫だということですか?」
「……はい。驚かれるのも当然です。望んでいない妻が突然いたらその…お嫌かもしれませんが」
「え?いいえ、リオニ…この名前で間違い無いですね?何てこった」
立ちあがろうとしたディートリッヒは、しかしすぐにうめき声をあげて座り込みました。そのディートリッヒを支えるために思わず駆け寄ったリオニは、あまりにも近い距離で緑色の瞳と目が合いました。ディートリッヒはリオニと目が合うとにっこりと微笑みました。それはリオニがよく知るディートリッヒでした。
「違います。そういうことではありません、リオニ。目が覚めてすぐに目に入ったあなたを見て天使だと思ったんです」
「……え?」
「後になって人間だとわかってもあなたから目が離せなくて。そしたらあなたが妻だと言うから。冗談では無いですよね?」
血が集まりすぎて赤黒くなったディートリッヒの顔を思い出して、今度はリオニの顔が真っ赤になりました。何かを言おうとすると涙が出てしまいそうだったのでリオニは頷きました。
「7年間、私はあなたにとっていい人でしたか?まさか仕方なく結婚したとかじゃ困りますよ。もし嫌でなければ抱きしめてみたいのですが私は今できません。冗談でないのなら抱きしめてもらえますか」
そうして腕を広げるディートリッヒを見て、リオニは涙を流しながらしっかりと抱きしめました。大きなディートリッヒの手がリオニの背中を優しく叩き「ごめんなさい。心配させてしまったようですね。医者はないけど私は大丈夫です」と低く優しい声でリオニを安心させました。
リオニが一通り泣いた後、突然勢いっっよく扉が開いて息子たちが駆け込んできました。ディートリッヒは大きな笑い声をあげた後、二人の息子を抱きしめました。
ディートリッヒは「こんなに美しい妻がいるのに子供が二人だなんて。7年間一体何をしていたんだ。愚かな男だな」と言い、リオニは呆れました。
結局、リオニはディートリヒの背中を二、三発叩いた。肋骨を折った夫への処置としては過酷だったが、それでも幸せな出来事だった。
外伝前編を読んだ感想
ビルヘルムが成長しているのを外伝で感じられたし、ディートリッヒの記憶がどうなるのかもスッキリしましたね!外伝は残り2話あるのですが、文字数の関係上、一旦ここで記事を締めます。続きは近日中に更新予定です。
いりさん、はじめまして、こんにちは。
LINEマンガはクライマックスに近付きつつも、今もって苦しいさなかですが、こちらでラストが分かるからこそ、辛くても耐えられます、救われます。
本当にありがとうございます。
双子の性別や、終わるまでにラインの笑顔にえくぼがてきるか(伏線未回収のまま終わるのか)楽しみにしています。
ラインハルトに心からの笑顔をさんコメントありがとうございます!
辛い展開が本当に多いですが楽しんでもらえて元夫の番犬ファンとしてとても嬉しいです!
また近々外伝の続きを更新します!
続きありがとうございます😊✨凄く嬉しい気持ちで読ませていただきました。更なる続きも首をなが〜くして待ってます♡
ぴーちゃんさんの更新チェックの日々に報いるためにもまた近々更新します!!
いつもありがとうございます!
ありがとうございますー!待ってました♡なんと微笑ましい外伝♡とても素敵なこの物語の続きにホッコリしたのと、安堵と…嬉しい気持ちでいっぱいです。
本当に続きを読ませて頂きありがとうございます!
ぴーちゃんさんコメントありがとうございます!
大変お待たせしていますがまた近々更新するので読んでもらえると嬉しいです!
いりさん、こんばんは。外伝Upありがとうございました。ここまで来るともう不穏なことは無いだろうと安心して読み進められるので、ただただ楽しんで二人の物語を堪能しています。ディートリッヒも戻りつつあるのが嬉しい。シエラにはヘイツにもう少し頑張ってほしいけど(笑)今の漫画は一番辛いところに差し掛かっているのでこのいりさんの記事を読みながら心を落ち着かせて行こうと思います。(*^^*)
みいしゃさんこちらにもコメントありがとうございます!
ディートリッヒがどうなるかはおそらく次回の更新でお伝えできるかと思います!
前回の更新から時間が空いてしまいましたが、また読んでもらえると嬉しいです^^