結婚商売(결혼 장사)の韓国の原作小説2巻のネタバレ感想です。
作者・KEN 作画・ENA
ネタバレ記事一覧
▲ 巻数をクリックしてください。
6章 伯爵夫人の決心
回帰前はこうして城や領地に興味など持てなかったビアンカだが、色々なところを見て回るように。軍馬を見に行くとソヴールがいましたが、彼は馬に対するビアンカの様子を見て「奥様はいい人かもしれない」と認識を改めます。
ソヴールはいまだにビアンカに対して不満を抱くロベルに再度忠告し、首都で開催されるトーナメントでビアンカに勝利の薔薇を渡すのも良いと思うように。
ビアンカは城内で針仕事をする下女達を見つけて声をかけるが、下女達はビアンカを恐れてまともに会話ができず…。そこへザカリーがやってきたので、軍馬を見に行った帰り、ザカリーに乗馬を習いたいと願い出たことを思い出して催促します。
ザカリーは冬は子馬が市場に出てこないので春まで待つように言い、女主人として仕事はビアンカならしっかり出来ると思っていることを告げます。
ビアンカはザカリーが心を開いてくれたように感じましたが、そのあと後継者の話になった途端、話が二人の間で平行線になってしまいます。
「後継者をなぜそこまで望むのか」とザカリーに聞かれ、「私があなたの子供を持つことに、必ず理由が無ければなりませんか?」とビアンカは尋ねます。
ビアンカはアルノーの女主人で、ザカリーの妻であるから当然の願いなのに、その願いにどうして大きな理由が必要になるのかと考えて、悲しくなりました。
泣いてしまうビアンカを見て慌てたザカリーは、もう理由を聞かないと言うけれど、それでも後継者を望むビアンカの言葉には頷いてはくれませんでした。
後日、ヴァンサンがビアンカの元を尋ねると、彼女は女主人の仕事の勉強を切り上げると宣言します。
領民が自分を嫌っており、このまま表に出ても良い結果は得られないので、やり方を変えることに。ヴァンサンが今までも、回帰前の未来でも、問題なく仕事をしてきたので、今すぐに彼から仕事を引き継ぐ必要もありません。
それより、ビアンカの持つ未来の知識である「レース」の技術で商売を行うことを決意します。ヴァンサンもビアンカを認め、協力してくれる事に。
ビアンカがただの贅沢好きの我儘な令嬢ではないとヴァンサンが知っていくきっかけになったのが、ビアンカが回帰前の人生で、アルノーを追い出された後、修道院で習ったレースの技術でした。レースは回帰後の未来ではこの後10年先に貴族たちの間で流行するものでした。
間話 ザカリー・ド・アルノーの事情
ザカリーには腹違いの兄がいたけれど、兄の母親は産んですぐ亡くなってしまいました。その後迎え入れられたのがザカリーの母親でしたが、彼女もザカリーが幼い頃に亡くなってしまいます。
しかし、少しの期間でも母親の愛を受けていたザカリーに兄は嫉妬し、弟に良くない感情を持っていました。
ザカリーの父親が亡くなると、兄は子爵位を継ぎ、ザカリーを家から追い出してしまう。何も持たないザカリーだったけれど、ヴァンサンだけが付いてきてくれました。
修道院に行くか騎士になるかの2択で、ザカリーは迷わず剣を取ってその腕で領地とアルノーの姓と男爵位をもらいました。
ブランシュフォール伯爵との同盟によって、ビアンカとの結婚が決まりましたが、ザカリーを見た途端泣いてしまうビアンカの様子を見て、彼女に嫌われてしまった事を知ります。
裕福だった彼女の生活環境に少しでも寄り添ってあげたくて戦争にあけくれ、その報奨金で何とか彼女の家と釣り合うようにザカリーは頑張ります。ザカリーの爵位は戦争の功績によって男爵、子爵、伯爵まで駆けがりました。
例え嫌われていても、彼女が望むものを与えられることで、家格の違う男爵のもとにわずか7歳で嫁ぐことになってしまった彼女に報いたかった。そうして9年の歳月が流れると、ある日突然彼女の態度が変わり、後継者が欲しいと言い出しました。
しかし、ザカリーにはまだ泣き虫だった7歳の彼女の姿が浮かんでしまい、彼女に手を出すとまた嫌われるのではないかという不安がありました。
だから、せめて彼女が18歳に成長するまでは待つつもりでした。
この間話の最後は「その傲慢な考えを、後に後悔する事になる。」で締め括られます。どういう後悔なのか気になりますね…。
7章 春の来る音
ビアンカを連れ出したザカリーは約束していた子馬をプレゼントします。子馬はザカリー本人が慎重に選んだものでした。
生きたものをプレゼントされたこと無かったビアンカは大喜びして、虚勢やプライド全てを手放した笑顔で感謝を伝えます。
感情の乗った彼女の笑顔を見たザカリーが思わず固まると、ビアンカはそれを見て「私の笑顔がそういえば嫌いだった」と勘違いしてしまう。
気を取り直して、「伯爵様」と声をかけ、子馬に名前をつけないと、と話します。彼女が口にする「伯爵様」という呼称に不満のあるザカリーは「前のようにあなたと呼んではくれないのか」とねだるが、まだきちんと夫婦になっていないので早い、とビアンカに却下されます。
それを傍で聞いていたヴァンサンは、ザカリーに別の場所で詳細を訪ね、ビアンカが後継者を望み、ザカリーが拒否している事を知る。
理由はまだ16歳で早いから。しかし、その場にいたソヴールが「首都には舌先に蜜を塗ったような甘い言葉を吐く吟遊詩人もいるのに、奥様が彼らに目を向けない確信でもあるんですか?」「奥様は伯爵様をそれほど好きなようには見えないのですが寝床もしないなんて、なんの自信ですか?」と言い、その鋭い言葉に顔を土色にするザカリーだが、最後まで意見は変えませんでした。
16歳は十分子供を埋める年齢でしたが、ザカリーはまだは早いと思っているようです。ザカリーの兄も、ビアンカの母も産後亡くなってしまってるので、時代的にそれだけ出産が大変なものだったのがわかります。ザカリーはそれを恐れているのかもしれませんね。
首都に向かう一行が出立した。やがてビアンカの乗る馬車が止まり、馬で先導していたザカリーはビアンカに不便はないか尋ね、今日は野宿になることを伝えます。ビアンカは自分は馬車で寝るとして、ザカリーはどこで寝るのかと尋ねると外だと返答が帰ってきます。
ビアンカが一緒に馬車の中で寝ることを勧めるが、拒否されてしまう。説得しようと口を開きかけたところに空気の読めないソヴールが食事を持ってきました。イボンヌが食事を受け取りに馬車の外に出ていくが、ザカリーが馬車から立ち去る気配がないので戸惑っていると、ソヴールとの仲を聞かれます。
ザカリーはソヴールに嫉妬して心が荒れていました。やがて近づいてくる彼の気配にビアンカは期待しながら目を閉じてキスを待ってみるが、ザカリーの吐息が近くまで感じられた時にイボンヌが戻ってきてしまいました。
8章 ねじれた結び目、ほどけた結び目、再びねじれた結び目
使用人達はビアンカが色々な文句を言って旅の日程が遅れることを心配していたが、全くそんなことはなかった。むしろ大人しすぎて病気ではないか心配するほどでした。
無事に首都につくとすぐに王への謁見を行い、そこでビアンカは2人の王子に会います。父親とザカリーが支持する第1王子のゴティエと、なぜかビアンカに強い視線を向ける第2王子のジャコブ。
挨拶を済ませて退室すると、ザカリーからジャコブには近づかないように言われます。回帰前、ゴティエや自分の家族、そしてザカリーまで戦争で失ったが、その裏で誰が動いていたのかをビアンカは知っていました。裏で動いていたのは王位を狙うジャコブです。
一方、ジャコブはビアンカを一目見て、今まで誰にも感じたことの無い強い欲求を感じていました。既に人のもので踏み荒らされているということに怒りが湧くほど。しかし、すぐに自分のものにするための計画を頭の中で立て始めます。
家族との対面が迫り、ビアンカは強い不安を感じていました。アルノーに嫁ぐ際に二度と帰ってきては行けないと言われており、父親に突き放されたと思っていたからです。
ザカリーは「会いたくないなら会わなくてもいい」と言ってくれますが、ビアンカは家族と会うことを決意します。
ビアンカと再会した父親はビアンカを褒めてくれましたが、嫁ぐときは突き放し、これまでずっと放置したのに親しげに振る舞う父親に、ビアンカの怒りが爆発します。
泣きながらこれまでの不満を全て話す彼女に、ようやく自分が間違っていたと気付いた父親と兄は、ビアンカに謝って彼女を抱きしめました。抱き合う家族を見て、ザカリーは疎外感を感じていました。
ブランシュフォール伯爵は、幼い娘が実家を恋しがるあまり頻繁に「帰りたい」と口にしていてはいけないと思った故の「アルノーの人になるのだからブランシュフォールに帰ろうと思わないように」と言ったのですが、まさかそれがビアンカを突き放したことになるとは思っていなかったようです。
家族とは度々食事をするようになったけれど、ザカリーの態度がなぜか固くなっているのかビアンカは理由がわからなかった。会食後、2人で回廊を歩いていると、ザカリーの兄が現れ、失礼なことを散々言われ、さらにそこにジャコブまで現れます。
相変わらずビアンカに対して強い視線を送るジャコブに、ザカリーの我慢が限界を迎えそうでした。ビアンカは彼の腕に頭を乗せ、「あなた、頭がくらくらします」と嘘の体調不良を訴えて退席することに。
二度目のあなた呼びに動揺するザカリーだったけれど、抜け出すと本当に目眩がしてきたビアンカのため、彼女を抱えて歩くことになりました。
ザカリーは不安になっていました。家族と和解したビアンカが離婚したいと親に伝えたら、きっと叶ってしまうだろうと思って落ち込んでいました。
2巻を読んだ感想