原作ネタバレ

「永遠なる君の嘘」韓国の原作小説ネタバレ感想 |2巻・前編

永遠なる君の嘘(영원한 너의 거짓말)の韓国の原作小説2巻(前編)のネタバレ感想です。

原作:jeonhoochi

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8章 揺れ

ローゼンは話の合間に「聞いてる?」と確認し、イアンは「聞いている」と返事を返しました。ローゼンは「イアンより先に寝ない」と言っていたものの、イアンの手を掴んでうとうとしながら同じ話を繰り返し、「目だけ閉じてるの。寝てるわけじゃない」「本当に寝てるんじゃないよ」と頑張っていましたが、結局寝てしまいました。イアンは眠っているローゼンから自分の手を引き抜こうとしますが、「愛していると言われたかった」とローゼンの寝言を聞いて、手を引き抜くことができませんでした。

イアンは囚人のそうした言葉を信じるほど愚かではありません。説得に長けて、話術に長けて、知能が高い。巻き込まれやすいので注意が必要。そう書いてあるローゼンの書類に、イアンは全面的に同意見でした。しかし、イアンがいくら注意していても、いつの間にかローゼンの話に耳を傾けてしまっている自分がいることに気づきます。

イアンは今度こそローゼンから自分の手を引き抜き、ベッドに腰掛けました。そこで眠るローゼンは丸まって眠っていて、まるでまだ鎖に繋がれているかのようでした。

「この帝国で1番お前を解放したい人がいたら…それは多分私と思うけど」

イアンはローゼンの頬を撫でた後に、彼女の首筋と痩せた手足にある虐待の古い跡を見ました。刺傷、やけど、擦り傷と種類も多様です。ローゼンはイアンのことが好きだったと言いますが、それと同じくらいイアンもローゼンに心を注いでいました。もしかしたらローゼンよりももっと。

「私はお前をどうすればいいのか」

「いっそお前の嘘が私を騙せたらいいのに」

イアンはガス灯を消し、睡眠薬の束を取り出しました。医師から量を増やしてはならないと言われていますが、すでにだいぶ前に定量を超えていました。その大量の睡眠薬を飲んでも、一時間くらいしか眠ることしかできませんでした。

イアンは睡眠薬を飲んだ後、ローゼンに鎖をつけ、暫く躊躇った後にもう片方の手錠をベッドの柱ではなく、自分の手首につけました。冷たい鎖が二人を繋いだ時、イアンは不思議な満足感を得ました。イアンはローゼンの話を聞いた今、もし彼女が逃げた時に自分は銃で撃つことができるだろうかと考えながら、ローゼンの横たわっているベッドのそばの椅子に座りました。

彼は上空をうろつき、ついに着陸場所を見つけたパイロットになって目を閉じた。 楽な拘束だった。

翌朝、珍しく日が昇るまで眠っていたイアンはヘンリーによって起こされました。妙に体と頭がスッキリしていて、何日も自分を苦しめていた頭痛もありません。

「コナー卿!今のご自分を見てください!」

まだ寝起きで覚醒しきれていないイアンはヘンリーの言葉を無視して乱れた髪を治そうとし、何かが手にひっかかりました。それは手錠で、その時になってようやくイアンは自分の胸に暖かいものがいることに気づきました。

椅子で目を閉じたはずが、イアンは無意識にベッドに横になって眠ってしまったようです。ローゼンに腰を抱かれたまま。

騒ぐヘンリーに「大声を出すな。目を覚ます」と注意をしても、ヘンリーは聞きません。理解できるよう説明してくださいと言われ、イアンは布団をめくって自分が軍服姿のままだと見せると、ようやくヘンリーも落ち着きました。けれど、まだ確認し足りないヘンリーは、今度はローゼンを見ようとするので、イアンは思わず苛立ってヘンリーを止めます。

イアンはベッドから起き上がり、ローゼンと繋いでいた手錠を外してタバコを吸います。監視のためだと話しても、ヘンリーは納得していない様子です。イアンは話題を変えるためにヘンリーが船室にやってきた用件を尋ねます。

ヘンリーは魔物の群れがいて迂回するので島への到着が1日2日遅れると報告しました。イアンはその報告が、ローゼンの命が伸びたという意味に聞こえて、いよいよ自分が狂ったことを自覚しました。

イアンはヘンリーが船室を出て行った後、ローゼンの肩を揺すり、彼女の好きな放送用の声を出そうと努力します。

「起きて」

「お前の好きな酒を飲まないと」

イアンは自分が結局ローゼンにほだされてしまうのが分かっていたし、それが怖かったのでしょうね。

朝から雨が降り、空気が冷たく湿っていました。ヘンリーは船上カジノで行うテーブルゲームをローゼンに教えました。それは飛行機の模型を使って2人で対戦する土地取りゲームでしたが、初心者のローゼンは敗戦が続き、やがて飽きて飛行機の模型を投げ捨てました。

ローゼンはヘンリーにこれは面白くないし部屋は狭いし息が詰まるので出ていって欲しいと言いますが、ヘンリーは部屋を出ていくつもりがないようでした。ローゼンは「デッキで風にあたりたい」と話の方向を変えてみました。ヘンリーは雨が降っているので危ないと言って遠回しに却下します。しかし、ローゼンが涙を浮かべて同情を誘ってみせたり、罪悪感を刺激すると、困ったヘンリーはイアンにデッキへ連れ出すかどうか意見を仰ぎました。イアンは新聞をおろし、「倉庫にでも行って酒を持ってこい」と命じます。

命じられて仕方なくヘンリーが部屋を出て行くと、ローゼンはベッドに寝転がりながら「ヘンリーは今日に限ってどうしたの?拗ねたの?」と聞いてみます。

「もともとああだ。分別のない子馬だよ。…しっかり掴んでいないと。ヘンリー以外は居なくなってしまったから」

それは重たい言葉でした。ローゼンはわざと空気を読まずに「考えてみると不公平だ」と話を切り出しました。

「あんたは新聞や報告書で私の人生を知っているのに、私は違う。私は文字が読めないから写真だけなのに。私が嫌いなあんたが私をよく知っていて、あんたが好きな私が何も知らないなんて」

昨夜の態度で、イアンはローゼンが子供のようにしがみつくと突き放せないことに気づいていました。イアンは任務を命と考える軍人で、ローゼンは囚人なので、その線さえ超えなければ自分の甘えを受け入れてくれます。イアンには立ち向かうのも、涙を浮かべるのも正解ではなかった。正解は子供のようにしがみつくこと。それは長年英雄として生きてきたイアンの習慣なのでしょう。

ローゼンが「遊ぼう」と言ってイアンのそばに座り、彼の年齢と、いつから司令官だったのかという質問をしました。イアンはいま30歳で、戦争が始まったのが10年前なので20歳からだと答えます。20歳で司令官になったと言う話にローゼンが驚くと、イアンは目上の人がみんな逃げたからそうなったのだと教えてくれました。空軍の歴史はまだ浅く、パイロットの養成には時間がかかるので人手不足に陥っていたからだった。

ローゼンはイアンが33か34あたり、もしくはもう少し上かもしれないと思っていました。もちろんその予想年齢より若く見えてはいたけれど、それはイアンの顔がハンサムだから若く見えるのだと思っていました。

まともなパイロットたちはみんな国境地帯や首都マロナに行ってしまい、リオリトンに残ったのは士官学校の学生たちだけだった。その中で実力がある生徒たちが選ばれ、イアンは4人の編隊を組み、彼らが戦死した次にヘンリーたちがやってきました。その中には女性もいたけれど、新設の空軍に女性がいるのは珍しいことではありませんでした。

イアンは同僚や部下たちの名前をひとつも忘れずに覚えていました。ローゼンはそれまでイアンがそれほど若い頃から戦争をしていたなんて考えていなかったので、以前ローゼンがイアンの同僚を侮辱したことを謝罪しました。

「いや、私もお前に謝らなければならない。あの時言った言葉は…

本当はその時のことをローゼンに謝罪するためにイアンはヘンリー出ていかせたけれど、イアンはどんな言葉を選べばいいのかわかりませんでした。それでも、ローゼンはそれで十分でした。

「あんたは考えすぎよ。考えが多すぎて窒息するの。だから眠れないんだよ。私のような囚人にまで謝らなくていい」

「どうしてそんなことを言うんだ?」

「あんたが好きだから。あんたの心が楽だったらいいの。好きってのは元々そうじゃない?」

ローゼンはイアンを何とか騙す方法を探していたけれど、それでも自分が痛くても彼が痛くなければいいのに、できれば肩の荷をわけて茨の道でもおんぶしてあげられればいいのに、と思っていました。イアンがローゼンを傷つけても、ローゼンは最後はイアンを許すでしょう。ローゼンが無事に逃げれたらイアンは困るだろうけど、彼の傷が薄れる頃に「昔狂った魔女のせいで苦労した」と軽く思い出してくれたら十分でした。

イアンは暫く黙っていたけれど、やがて「そんな事を言うな」と口を開きます。「どういう意味?」と聞きながら、ローゼンはふと自分とイアンの距離が近いことに気がつきました。体を少し傾ければイアンの肩に寄りかかれるほど。少しだけ腰を下げればお互いの息遣いが感じられるほど。

「私のことが好きだという言葉だ」

「気持ち悪いの?」

「…ただ不便で、変な気分だ」

そうしてイアンが離れるので、温もりが遠のき、ローゼンはつい欲が出てしまいました。ローゼンはイアンの頬に口付けます。ただ触れたかったから。

部屋の中は静かで、雨粒が窓を叩く音だけしか聞こえない。ローゼンは注意深くイアンに手を伸ばし、頬や鼻、眉毛を何度も撫でました。イアンは混乱した顔をしていたけれど、拒絶はしませんでした。しかし、ローゼンの手がイアンの首筋まで降りようとしたところで、手を掴まれて止められました。ローゼンは掴まれた手を抜き、ぎこちなく視線をそらして膝におきます。イアンの表情には欲はなく困惑だけだったので、ローゼンはむしろ現実に戻されました。何を期待していたのだろう。

ローゼンは「写真と同じだったから触ってみたかっただけで、ふざけたんじゃない」と弁明しながら、どうせなら頬ではなく唇にしておけば良かったと後悔しました。帝国民が愛する英雄に口付けする機会が今以外にどこにあるのだろう。

かつてローゼンは台所にイアンの写真を貼り付けていました。ヒンドリーは家に帰ってこない日が多く、特に台所には近寄らなかった。エミリーはそれを見て「あなたも年頃の子だね」と笑いました。既婚者であっても、たとえ男性であっても帝国民みんながイアン・コナーを愛していた。けれど、ヒンドリーは違うようでした。

川で洗濯するローゼンのもとに競馬で使う馬用の鞭を持ったヒンドリーが現れると、彼はローゼンの髪を掴み、「これは何だ」としわくちゃになったビラを投げ捨てました。ローゼンが「みんな貼っている」と言い訳すると、ヒンドリーはローゼンを地面に投げ捨て、何度もローゼンを蹴りました。

ローゼンがヒンドリーにこうした暴行を受けたのはその日が初めてでした。ワルプルギスの夜に広場に出かけるのも禁止にしていたし、とにかくローゼンが他の男に目を向けるのが気に食わないのでしょうね。

「娼婦のように振る舞うな!」とヒンドリーは怒鳴り、ローゼンが「そんな考えで貼ったんじゃありません!」と返すと、「ねずみ小僧なのに見る目だけ高い。お前が行って足を広げても見向きもしないだろう。つま先にも届かない」とヒンドリーは冷たく言いました。

そこまでで、ローゼンは記憶を辿るのを辞めました。ローゼンは改めてイアンを見て笑った。あの日の後、ローゼンは懲りずにまたビラを集めて今度は引き出しにしまっていましたが、イアンは確かにその価値のある顔でした。

「昔、夫があんたに嫉妬したの。台所にビラを貼ってたら殴られたけど、夫は私のような女はあんたのつま先にも届かないって言ってた。不思議だね。私があんたとこうして向き合っていることも、触れられるのも」

ローゼンがそう言うと、イアンの手がローゼンに伸びました。イアンは黙ってローゼンの髪の毛を耳の後に流し、頬を触った。イアンの瞳がローゼンを見つめていました。ローゼンの息が止まり、顔が熱を持ちます。ローゼンはこの生々しい感触にどうしたらいいのか分からず固まりました。そして、イアンは何かを言おうとしたけれど、その前に船室の扉が開きました。

「ローゼン!」

ヘンリーは酒瓶の代わりにレインコートを着たライラを連れていましたローゼンが笑うとライラはレインコートを脱ぎ捨ててローゼンの膝に座ります。ライラはにこにこ笑いながらローゼンをこのあとデッキで開かれるパーティに招待しました。

天気を読み間違えたことの無いアレックスが「雨は夕方には止む」と言うので、パーティが開催されることになったとライラが説明しました。今日はワルプルギスの夜でした。

ローゼンは監獄にいた時間が長すぎて、時間の概念があまりありませんでした。指が凍傷になれば冬で、全身にあせもができて囚人達が熱中症で倒れはじめたら夏。それくらいの季節の変化しかわからなかったようです。

ライラはローゼンが1度も船上パーティに参加したことがないと知ると、花火に舞踏会、美味しい料理に楽団までいるのだと話しました。ライラはヘンリーには決定権がないのを理解していたので、イアンのところに走り寄ります。

アレックスの許可をもらっているので、イアンさえ許可を出せばローゼンは参加できて、イアンがパートナーになれば監視もできます。それにパーティでは仮面をつけているし、綺麗に着飾ったローゼンに他の客はは気づかないとライラはイアンの袖を引きながら言いました。

「パーティに行きたいのか、ハワーズ」

行きたくない方がおかしいんじゃない?」

まさかこのまま素直に行かせてはくれないだろうと思っていたローゼンでしたが、イアンは「…行こう」と言って頷きました。ローゼンは思わず昨夜イアンに変な薬でも飲ませただろうかと自分を疑いました。

「私はお前にあまりにも多くの例外を作った。そこにもうひとつ加えたからといって変わることは無い」

9章 ワルプルギスの夜 前半

ローゼンの記憶の中にある2度目のワルプルギスの夜は16歳の時で、エミリーと過ごした最初の祭りです。その頃は戦争のさなかで、『大丈夫です。いつも私が守ります』という放送のイアンの声に帝国民は支えられていました。帝国南部は1年で占拠され、北の首都マローナに向かって人が押し寄せていたけれど、イアンはその口から発した重たい約束をいつも守っていて、敵国タラスがリトリトンに着く前に全て海に沈めていました。

振り返ってみると、それは凄いことではなく、酷いことでした。リオリトンを守る過程で、若いパイロットたちの多くが犠牲になってしまったのだから。

そんな戦争のさなかでも規模が縮小して祭りは開かれました。ヒンドリーはその日、競馬場に向かい、彼が外出したことを喜んだローゼンがケーキの生地を作り、エミリーが倉庫からイチゴのジャムを持ってきました。

ワルプルギスの夜の主役は魔女たちなので、魔女であるエミリーにとっても特別な日ではないかと尋ねると、「それもあるし私の誕生日でもある」とエミリーは言います。

前もって教えてくれればお祝いができたのにと悔しがるローゼンに、エミリーは魔女の誕生日は母親の腹から産まれた日ではなく、魔女として誕生した時だと教えました。

しかしエミリーはローゼンに魔女の話をあまりしないように忠告しました。2人が最初に会った時も、エミリーが魔法を使わなければヒンドリーは隠していたはずでした。例えばそのままローゼンが役所に行って訴えれば、エミリーは連れ去られ、射殺されてしまう可能性もあるからです。

ヒンドリーは当然止めるでしょう。なぜなら、ヒンドリーは樹液をすする虫のような男だったから。ヒンドリーは医者として生活していたけど、実際に治療していたのはエミリーでした。なぜ賢いエミリーがヒンドリーと結婚したのかローゼンには分かりませんでした。

エミリーも字は読めなかったので記号と絵でノートを作っていました。エミリーが魔女になったのは6歳のとき。最初に成功させた魔法は「ケーキを作った」でした。かわいいですね。

魔女の力は不平等で、産まれは関係なく、ただの女の子に力が宿ります。血筋で受け継ぐことが出来ないため、魔女を手に入れて子供を産ませても、その子供が魔女になるという訳ではありませんでした。蒸気機関車などの化学の力が出てきても、富裕層では自分たちが権力だけで手に入れることができなかった魔女への劣等感を持っていたため、魔女への強い迫害が進んでしまいました。

エミリーも元はただの人間でしたが、だからこそ自分のことを特別だとは思っていませんでした。エミリーは医術を独占せずにヒンドリーやローゼンに教えるのも、「世の中は1人で救うことはできない」という自身の持論からでした。

「私は魔女で、他の人は魔女ではない。私はまさにそのために医術というものを勉強し始めたの。誰もが魔法を使うことはできないけど、誰にでも魔法が必要な瞬間があるから」

エミリーがローゼンに教えたのは医術だけでなく、計算や帝国貨幣の単位、敵国のタラス語で「民間人です、助けてください」という言い方、種の植え方、鎮痛剤と止血剤の作り方など。2人とも文字が読めないので授業の進みは遅かったけれど、それでもローゼンは一生懸命学びました。やがてローゼンの世界はヒンドリー中心だったものから大きく広がりました。

エミリーも学校に行って学んだ訳ではなく、あくまで独学で身につけた生き抜く方法をローゼンに教えているのが、とても素敵ですね。

ローゼンが興味本位でエミリーに魔女になる条件を聞くと、「一人の血、一つの願い、一度の魔法」と教えてくれました。

「私もそれがどういう意味なのか正確には分からないけど、少なくともこの夜に食べるケーキに込められた意味は説明できる。繋がってるんだよ」

エミリーがケーキにナイフを入れると赤いイチゴジャムが流れ出た

「これが一人の血」

「ケーキにロウソクを灯してヴァールブルクに祈る願い。これがに一つの願い」

エミリーはローゼンの口元についたクリームを拭きながら微笑みます。「一度の魔法は?」とローゼンが聞くと、エミリーはそれには答えずに「ローゼンもケーキの前でヴァールブルクに願い事をしたことはある?」と聞きました。

ローゼンは孤児院でケーキもないあの日、願ったことを思い出しました。そして目の前の現実を考えて、胸が暖かくなります。ローゼンを愛してくれる人に会わせてほしいという生意気な願いを、ヴァールブルクが叶えてくれたのだと思ったからでした。それくらい、ローゼンは今が幸せだった。

ローゼンとエミリーはケーキを食べた後にテーブルを隅へ押しのけて、笑いながら踊りました。広場に出たかったけれど、それをやると後からヒンドリーに何を言われるかわからなかった。ローゼンはその夜、「ヒンドリーが戻ってきませんように」と願ったけれど、残念ながらそれは叶いませんでした。

ローゼンは戦争よりも、自分たちの平和を壊すヒンドリーが恐ろしかった。

いつでも嫌なことを引き起こすから。

「ローゼン、お願いだから扉を開けて!」

ローゼンは水を溜めた浴槽の中でハンガーを手に持ったまま泣きました。全てが気持ち悪かった。女として生まれたことにも。出来れば内臓から吐き出してしまいたかった。

ローゼンが17歳の冬、生理が途絶えました。

2巻前半を読んだ感想

8章は甘かったのに、9章前半がまた悲しいことに…。

教えて教えてと駄々をこねる子供のローゼンと、懐の広いエミリーはすぐに打ち解け、仲良くなったようですね。ただ、どうしてもヒンドリーがいるので幸せは長く続かなかったようです。かなしい。

次回の更新は来週を予定しています。更新はtwitterにてお知らせします!

https://share-book.net/netabare/597/
ABOUT ME
いり
異性愛・同性愛に関係なく読みふけるうちに気づいたら国内だけではなく韓国や中国作品にまで手を出すようになっていました。カップルは世界を救う。ハッピーエンド大好きなのでそういった作品を紹介しています。

POSTED COMMENT

  1. ぬぬ より:

    いつも楽しく読ませて頂いてます✨

    ちょっと暗めではありながらも綺麗作風、どストライクです\(//∇//)\
    お忙しい中ではありますが、次回も楽しみにしています♪

    • いり より:

      ぬぬさんコメントありがとうございます!
      どストライク!嬉しいです!!
      月曜日更新を行っているのでまた時間がある時に読んでください!

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